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大慌てで左右にブンブンと手を振り、悲しい顔をした。
「わたし……怒りって感情が沸かないの。いつからか、私の中から消えてたんだ」
いつもは見せない寂しそうな顔に僕は胸が痛んだ。そうだ。僕は君にそんな灰曇天みたいな顔をさせるつもりなんてなかったんだ。
君には頭上の黄色い太陽のように笑っていてほしい。
身勝手にも完璧な君に欠陥があってほしいと思った。ただそれだけなんだ。
(もしも君の欠陥が本当の事だとしたら)
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