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「…うグッ!?」
また、だ。
患者が記憶退行をしている途中、必ずこの不快感が起きる。
桃子さんも…どうやら、『趣好』をお持ちの様だ。
「君は美味しい豚になりたい?
もしも肉達磨師匠のチャーシューの秘密を知りたいなら、今ならばそれは出来るけれども」
目が覚めた。
誰かと電話をしていた先生が、こんな質問したのはこの時だ。
「君が望みを叶えたい。
その瞬間しか、可能では無いよ?
…やりたいかい」
「お願いします!
私は美味しい豚になりたいんです」
先生は桃子を見つめ、そしてまた何処かへと連絡し始めた。
「君が決めた事だ…私は止めない。
でも、恥ずかしいという気持ちは取り去らないと美味しい豚にはなれないだろうな」
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