4#キャリアウーマンの正体

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 『ストーカー』とか気が引けるなあ。  でも、あの女が気になって仕形がないんだ・・・  『アフター5』になった。  いた。  彼女だ。  『僕』は、会社から帰宅の路につく彼女を物陰に隠れながらついていく。  横断歩道を渡り、  電車に乗り、  駅を降り、  街を歩いて、  コンビニに入り、  遅くまで営業のスーパーに行き、  街をまた歩き、  街をはずれ、  公園を抜け、  工場街を通り、  廃車や粗大ごみが大量に放置された、人気の無い空き地にたどり着いた時・・・  彼女を見失った。  回りは薄暗い。  いつの間にか、真夜中になっていた。  何だか怖いなあ・・・  けーーーん!!  けーーーん!!  けーーーん!!  けーーーん!!  キツネの鳴き声?  何でこんな寂れた場所にキツネなんかいるの???  けーーーん!!  けーーーん!!  けーーーん!!  けーーーん!!  キツネの鳴き声は、放置車両のワゴンの廃車から聞こえてくる。  そっと、覗いてみた。  みゃーーー!!  みゃーーー!!  みゃーーー!!  みゃーーー!!  子ギツネ?!!  隣に親ギツネがいる・・・?!  あれ?  コンビニの袋と、油揚げの入ってたタッパー・・・  そして、あのキャリアウーマンの彼女の鞄・・・  まさか・・・  がばっ!!  親ギツネが起き上がった。  親ギツネは、割られているワゴンの窓からひょいっ!と外に出た。  てくてくてくてく。  親ギツネは、『僕』の側に向かってやってきた。  「みーーーーーたーーーーーなーーー・・・!!」  え?  えええええええ!!  ぼぉーーーーーーーーん!!!!!  いきなりドデカイ破裂音が炸裂したかと思いきや、『僕』の周りにはもくもくと煙が立ち込めた。  げほっ!!げほっ!!げほっ!!げほっ!!  ・・・ん?!  
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