1 僕は

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扉の開く音がした。 見覚えのない男が部屋に入ってくる。怖い。 大きな声で開口一番に大丈夫か!?と問われる 「知らないよ、大丈夫だ。僕は全然。 それより君はまたそんな突然押しかけてきて。少しは気を使ってくれないものかな?僕だって女の子だぞ」 何を言っているんだ僕は。 初めて会うはずのこの人に対して、さも親しい友人かの如く饒舌に会話をしている自分がいる。 僕は、この人を知っている、? 「それは本当にすまない。でも大きな音がしたから。また無理したんだろ?君が心配なんだ。いつもそうやってここで寝たきりじゃないか。あの頃はあんなに元気だったのに...」 何のことだ?それより君は名を名乗れ。 僕は今のところ、ベッドの下にいる名前検討中ことけんちゃんしか顔馴染みはいないんだ、勘弁してほしい。
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