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「やっぱり、トルーパー種が出てきましたか。」
その姿を見るや否や、少女は戦場を駆け出す。
重装備も大剣の重さも感じさせぬ速さとスタミナで、真一文字にボガードの集団に突撃してゆく。
それに気付いた隊のボガード2体が少女の前に立ちはだかったが、少女はまるでゴミを払うかのように、無造作に大剣を片手で横に振るう。
雑な様子で放たれたのとは裏腹に、剣風すら巻き起こすほどのその一撃は、ボガードを横から、それも2体纏めて引き裂いてしまった。まるで叩き潰されたかのような凄惨な死に方は、先ほどの骸に似ている。
尋常な怪力ではない。明らかに人間から抜け出した力だった。
「お待たせしました。皆さん、生きていますか?」
巨体を持つボガードの騎士…少女が言う『トルーパー種』の前に大剣を構えながら立ちはだかった少女は、後ろの騎士の生き残りに声をかける。
「カル!俺の隊はもう俺の他には2人しか残ってないし、2人も瀕死で戦えない!!戦場も少し押されている!」
後方の騎士は倒れた姿勢から何とか立ち上がり、少女…カルの横に並ぶ。
その後ろでは重傷の騎士2人が互いに支えあいながら立っている。
勿論、その傷付いた2人の騎士はまともな戦力としては扱えず、それどころか、きちんと手当てをしなければ命に関わるだらう。
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