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「状況はわかりました。あたしがこいつらを引き受けますので、隊長さんは2人を早く後方に離脱させてください。」
「…わかった、ここに居ても逆に君の足手まといになりかねない。ここは頼んだぞ。」
少女カルの無謀な申し出を、隊長の騎士はあっさりと受け入れ、後退の準備に入れば。
未だに6対1の中で、カルを残すと言うのだ。
普通なら、ただ見捨てたに等しい行いだろう。
だだ、隊長は自身らを『足手まとい』とした。
つまり、逆にこの場に居てはカルを邪魔することにしかならない、と。
「さて、あたしが相手で不足はありませんよね?トルーパークラスのボガードさん。」
にやりと、この歳の少女が浮かべるには余りにも違和感のある凶悪な笑みを浮かべて、カルは蛮族の一団と相対する。
「是非も無し、我々とて貴公のことを知らぬ訳ではない。『黒騎士』カル。」
リーダー各のトルーパークラスのボガードはカルを異名で呼ばわった。
「戦場を駆け、凄惨な死体を次々に生み出す1人の人間の騎士が居る、我が主がそう話していた。戦いぶりから貴公で間違いあるまい。」
「そりゃ光栄です。なら恨みっこ無しですよ。あたしも隊長達を逃がして貰った手前、複数が卑怯だなんて言い出しませんから。それに、戦場での複数が卑怯も何もあるわけないですし。」
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