◆二人きりの階段で◆

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一緒にいると楽しいし、口は悪いけど情深い。 先生の周りには不思議な温かいオーラがあって、皆そのオーラに吸い寄せられるんだ。 ぶっきら棒で冷たいけど、男子からも好かれる男前の先生に憧れを抱くのは、当然なのかなぁと思ったり。 現に私だって最初は、あまりの変貌ぶりに驚いて大っ嫌いになったけど、 今じゃ気付くと梁取先生を目で追っている。 7年前と変わらず。 変わらぬ想いで…… 「はぁぁ、暗くなってきちゃった」 「そんなに遊びたかったのか」 「う~ん、遊びたかったっていうかデートしたかったっていうか」 「デート!? 誰と!?」 「いやいや今日じゃなくて! 彼氏とディズニーランドでデートすることが夢だったんですよ。 だからなんか焦るっていうか、残念っていうか、遊びたいっていうか、あれ? 何がしたかったんだ、私」 「しらねぇよ」
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