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「まぁ、あれですよ、複雑な乙女心ってやつですよ」
「ふ~ん……」
本当は、ちょっと期待してたんだ。
梁取先生と一緒にディズニーランドを回れるんじゃないかって。
まあ冷静になって考えてみればそんなことできないわけで。
二人っきりじゃなくても、邪魔者の河本先生とかがいても(河本先生ごめん)
それでもいいから、一緒に回りたかったんだ。
公私混同してるって怒られちゃうかもしれないけど、でも夢見るだけならいいじゃない?
イルミネーションが輝きだしたパーク内で、私の夢も終わろうとしていた。
「河本、腹減っただろ、何か買ってきてやるよ。関根先生のも買ってきますね」
「おうありがと~、後できれば冷たいジュースも買ってきて~」
河本先生は、口をハンカチで抑えながら言った。
関根先生っていうのは来年定年を迎えるおじいちゃん先生。
バスの中でもディズニーランドに入ってからも、うつらうつらと気持ち良さそうに寝ていた。
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