◆二人きりの階段で◆

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「まぁ、あれですよ、複雑な乙女心ってやつですよ」 「ふ~ん……」 本当は、ちょっと期待してたんだ。 梁取先生と一緒にディズニーランドを回れるんじゃないかって。 まあ冷静になって考えてみればそんなことできないわけで。 二人っきりじゃなくても、邪魔者の河本先生とかがいても(河本先生ごめん) それでもいいから、一緒に回りたかったんだ。 公私混同してるって怒られちゃうかもしれないけど、でも夢見るだけならいいじゃない? イルミネーションが輝きだしたパーク内で、私の夢も終わろうとしていた。 「河本、腹減っただろ、何か買ってきてやるよ。関根先生のも買ってきますね」 「おうありがと~、後できれば冷たいジュースも買ってきて~」 河本先生は、口をハンカチで抑えながら言った。 関根先生っていうのは来年定年を迎えるおじいちゃん先生。 バスの中でもディズニーランドに入ってからも、うつらうつらと気持ち良さそうに寝ていた。
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