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最初は軽快な音楽で人形たちは踊り、私たちを楽しませてくれた。
しかし、だんだん雲行きが怪しくなり、照明が暗くなっていく。
私は先生と手を握ったまま、固唾を飲んで海賊たちの行方を見守っていた。
飛び交う砲弾、巻き上がる水しぶき。
思わず先生の手をぎゅっと握りしめた。
……先生は、
先生はどうして突然アトラクションになんて乗ったのか。
私が、ディズニーランドでデートするのが夢って言ったから?
だから食べ物買ってくるって言って抜け出したの?
……まさか、ね。
まさか……。
昨日の階段での一夜が思い起こされる。
小指を絡めたあの時、
河本先生が来ていなかったら私たち何してた?
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