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◆二人きりの階段で◆ #2
パーク内はちょうど、パレードの最中だった。
お客さんは次々と通り過ぎる華やかなパレードに酔いしれている。
「先生、どこまで行くんですか?」
早足で進む先生に、私は小走りで付いていくのがやっと。
「待ち時間5分か。うん、ここでいいか」
突然立ち止まり、意味不明なことを口走る先生。
そして突然アトラクションの中に入っていった。
「ちょ…どこ行くんですか!?」
「いいから黙ってついて来い!」
先生は私の手を掴むと、ぐんぐんと中に進んでいった。
ほとんど待つことなくボートに乗り込んだ。
「え…えぇ!? いいんですか!?」
「……いいんだよ」
ボートが動き出した間も、先生は私の手を握ったまま離さなかった。
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