◇初めての告白◇ #2

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そうか、泳ぐってこういうことだったのか。 水の声に耳を傾けて、水と一緒になって遊べば、こんなにも気持ちのいいものなんだ。 先生、私、もう泳げるよ。 先生から教わった言葉は、私の心臓の奥の方に仕舞われて決して忘れることはない。 ほら見て、先生。 私、泳いでいるよ。 タンっ 初めてゴールの壁に指先が触れた。 足を着いて、顔を上げるとそこには満面の笑顔の先生がいた。 「やったな! 藍沢!」 先生は自分のことのように喜んでいて、水だけじゃなくて先生とも一体感が生まれた気がした。
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