◇初めての告白◇ #2

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「そう……だよね。 私なんかが先生の特別になれるわけないよね! バカだね私、鏡見てからもう一回出直せって~の!」 私は気まずい雰囲気を払拭するように豪快に笑った。 あはははは、と先生もつられて笑いやすくするように大きな声で。 「藍沢…… そうじゃなくて、俺は……」 「もういいよ先生! 大丈夫! もう分かったから! 私、立ち直りだけは早いんだ、だから大丈夫だよ」 大丈夫、だから慰めの言葉なんてかけないで。 「なんか寒くなってきたね! 水着のまんまじゃやっぱ寒いわ! 着替えてくるね」 私は先生の横を走って通り過ぎた。 下を向いて、先生に泣き顔を見られないように。 先生は何かを話したがっていたけれど、その時の私に先生の言葉を聞ける余裕なんてなかったんだ―――
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