◆言えない想い◆

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先生は着ていたTシャツを脱いで、雑巾のように絞った。 「ほら、これで隠せば見えないだろ」 まぁこれも濡れてるけどな、先生は苦笑いしながら先にプールから上がった。 引き締まった上半身。 服を脱ぐと、腕の黒さが目立つ。 私は先生から渡されたTシャツを胸に巻きつけた。 「パンツまでびしょびしょだよ。 こりゃやっちまったかな、太陽も隠れたし」 先生は半ズボンの裾を絞りながら笑った。 「私、替えの下着なんて持ってきてないですよ」 「俺もないよ」 「ああ、もうなんでプールに入っちゃったんだろ~」 「いいじゃん、楽しかったし。帰りは俺の車に乗せてやるよ、特別にな」
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