◇初めての告白◇ #2

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梁取先生の掛け声で、もう一度スタートを切る。 先生が見てる! と思うと自然と気合いが入るのだが、やっぱり5メートル程手前で立ち上がってしまう。 もうちょっとなのに。 何がいけないんだろう。 先生はゴール手前で立ち上がってむくれている私に向かって、 ひまわりよりも明るい笑顔を見せた。 「もうちょっとじゃん。 良かったよ藍沢が全く泳げないわけじゃなくて」 「でもクラスで25メートル泳ぎきれないのは私だけなんです」 「そりゃそんなに無駄な動きしてたら疲れて無理だよ」 先生は白いTシャツを脱いだ。 きゃあ、なんて心の中で可愛く悲鳴を上げつつも、目は先生の引き締まった上半身を凝視していた。
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