◇初めての告白◇ #2

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足先からちゃぽんと水に慣れるようにして、先生はプールの中に入った。 あ、結構冷てっ、なんて言いながら。 「バタ足はそんなに力むもんじゃないの。 自然に足は曲げずに伸ばして……」 先生は私の手を取り、自らをビート板の役割にした。 手…手…手……握っちゃった。 「ほら、やってみて」 私はコクンと頷くと、火照った顔を冷ますように水の中に入りバタ足を繰り返した。 「おいおい、凄い水しぶきだぞ。 自然に自然に」 自然にって言われても、この状態で自然でいられる方が無理って話ですよ! 先生の大きな手に包まれて、胸がバクバクして壊れてしまいそうだった。
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