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◆甘苦い音楽室◆ #2
「く…暗っ!」
夏の間はこの時間でもまだ明るかったのに、もうすっかり日が落ちていた。
生徒も皆帰ったので、廊下は静まっている。
自分の歩く足音だけが廊下に響き、なんだか異様な雰囲気だった。
暗くなった学校って嫌い。
どうしてこんなに不安な気持ちになるんだろう。
唾を飲み込むと、ゴクリと音がした。
こんな小さな音ですら、明かりを失った学校は拾い上げる。
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