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ヤバい……泣きそうだ……
こんな所で泣きたくないのに……
大粒の涙が今にも零れ落ちそうな時、優斗は私の涙を隠すように私の頭を自分の胸に押し付け、私は優斗の腕の中にすっぽりと収まってしまった。
温かい腕の中。
一瞬何が起こったのか分からなかったけど、この格好って、私抱きしめられてる!?
「ちょっ優斗、恥ずかしいっ」
「騒ぐな、大丈夫。誰も気付いてない」
まだ数名残っている同期は、皆私たちより前に座っていて自習をしていて、私たちの行為に気付いていない。
でも、ちょっと後ろを振り向けば分かるわけで。
こんな格好見られたらデキてるって勘違いされてしまう。
勘違いだけならいいけど、こんな所で抱き合ってるなんて非常識も甚だしい。
さっきまで講師の先生に、生徒の見本となる人にならなければいけない、なんて言われてたのに!
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