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前の席に座っていた男の子が背筋を伸ばして、腰を鳴らそうと斜め後ろを向いたので、私は焦って優斗を突き放した。
その時、優斗が傷付いたような顔をしたので私は咄嗟に「ごめん」と言った。
なんだか気まずい雰囲気が流れる。
これは……告白?
優斗は私のこと好きなの?
何て言えばいいのか分からなくて困っていると、
「返事はまだいいから!」
と言われた。
「さくらが俺のこと好きじゃないっていうのは分かってるし、その梁取センセーって奴のことが忘れられないのも分かってる。
なんつ~か俺も、こんなこと言うつもりじゃなかったんだけど口が滑ったっていうか……」
俺ら似たもの同志かもな、優斗は優しげに笑った。
なんだかその笑顔に胸がきゅっと締め付けられた。
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