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とりあえず駅前に行ってみようと思う。
ビジネスホテルに泊まるなり、漫画喫茶に泊まるなり、とりあえず寝床を確保しなくちゃ。
泣くのはそっからだ。
そっからだぞ、自分。
言い聞かせながら歩いているのに、涙はどんどん溢れてきた。
「ひっひっ…うくっ…」
嗚咽を我慢することができない。
体の中が業火で焼かれるように熱く、心臓や内臓を掻きむしりたかった。
シャツを両手で握りしめ、口を大きく開けて声を出さずに悲鳴をあげた。
うわ~んと子供のように大声を出して泣きたかった。
それか誰もいない海に向かって声の続く限り叫びたかった。
堪えているのに、これでも必死で堪えているのに、声が零れる。
涙が溢れて止まらない。
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