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「いつまでもこんな関係続けてたらいけないと思って本人に直接聞いてみたの。
これは何?って」
これは何?っと言った時の藤木先生の顔は悪魔のように怖かった。
ニコっと笑っているのだけれど、心の中の憎悪が顔に出ていてまるで般若のよう。
綺麗な顔立ちだから、なお一層怖い。
「そ、それで?」
私はたじろぎながらも先の言葉を急かした。
再現だけでも怖いのだから、当の本人――河本先生はどんな心境だったのだろうか。
「妹のだよって言ったのよ」
呆れるように言葉を吐く藤木先生。
「そんなの信じられるわけないじゃない。妹のだったらどうして私に見られないように隠す必要があるの?って聞いたの」
ゴクリと唾を飲み込む。
その時の二人の様子が容易に想像できた。世にいう修羅場だ。
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