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「まあでもこれではっきりしたわよ。
彼女のを妹のだなんて嘘吐くよう男、最低別れて正解、私」
それは自分に言い聞かせるようだった。
両手と片足を組み、ドカリと椅子に座る様は威厳に満ちていた。
けれどその背中に悲しさを感じるのか気のせいだろうか。
それにしても……
私の中で新たな疑問が浮かび上がった。
妹……梁取先生もあの部屋にある品々は妹のだって言ってたな。
私はまたあることを思い出して、恐る恐る藤木先生に聞いてみた。
「あの……前に一度梁取先生はやめておけって言いましたよね。あれってどういう意味なんですか?」
突然話の主旨がそれたので、藤木先生は一瞬何を言ってるのか分からないという顔をした後、ああ!と思い出したのか声をあげた。
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