◆敵情視察◆ #2

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職員室に戻ったけれど、梁取先生の姿はなかった。 やり残した仕事があるわけではなかったので、何をしたらいいか聞くために梁取先生を探した。 梁取先生が担当する教室を覗くと、梁取先生が教壇に一人立っていた。 「先生」 梁取先生に声を掛けると、先生は「おう」と言って顔を上げた。 「優斗君は帰ったのか?」 優斗君、という言葉に棘があった。 けれど気付かなかったふりをして会話を続けた。 「まだいるみたいです」 「お前を待ってるのか?」 「まあ……でも仕事が沢山残ってたら先に帰ってって言うつもりなんで! なんでも頼んじゃってください」 「仕事頼んだら一緒に帰れないだろ」 「別にいいですよ。今日しか会えないわけじゃないんだし」 梁取先生はふ~んと言ってあからさまに面白くないといった顔をした。
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