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鼻にくるツーンとした痛みを感じて慌てて天井を見上げた。
気を強く保っていないと涙が零れてきそうだった。
もうあいつのために泣きたくない。
自分を鼓舞するようにぎゅっと拳を握った。
B4サイズの白い紙に一言だけ〝今までお世話になりました〟と書いてリビングのテーブルにそっと置いた。
よし、と言葉を吐いてぎゅうぎゅうに詰まったボストンバックの持ち手に手をかけた。
その時だった。
ガチャリと音がしてドアが開いた。
何食わぬ顔で先生が入ってくる。
私はいきなりのタイミングに驚いて微動だにできなかった。
「よう、ただいま」
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