373人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「別に。そのままの意味だけど。
出てくから。私がいたら気まずくて自分の家にも帰って来れないもんね」
自然と喧嘩腰になる。
足が震えていることを知られたくなかった。
「なんだよそれ。俺がいつそんなこと言ったよ」
先生の口調もきつくなる。
でも、負けない。
「今まで長いことお世話になっちゃって、むしろ遅すぎるくらいなんだよ。早く出て行けば良かった」
お世話になって感謝しなきゃいけないのに、どうしても感情がついていかない。
これじゃ同棲してたカップルが別れる時みたいじゃない。
私は彼女でも何でもないのに。
分かってる、分かってるけど悔しくてどうしようもない。
必死になって堪えているのに、涙が溢れてきた。
最初のコメントを投稿しよう!