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「先生は最低だよ。
私のことなんか好きでもなんでもないのにキスとかしてきて……
私の気持ち知ってるのに……これ以上私の中に入ってこないでっ!」
大声で怒鳴りつけると、先生も負けないくらいの声を出した。
「好きだよ!」
時間が一瞬止まる。
「好きだよ、藍沢のことが……」
今度は消え入るような小さな声。
部屋の空気が変わり、冬の朝のように澄み渡った。
「嘘……
だって知ってるんだから。梁取先生には婚約者がいたって。その人が忘れられないからもう誰とも付き合わないんだって」
私の言葉を聞いた途端、先生は青ざめた。
ほら、その顔の色が何よりの証拠じゃない。
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