◆先生の秘密◆

21/24

373人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「先生は最低だよ。 私のことなんか好きでもなんでもないのにキスとかしてきて…… 私の気持ち知ってるのに……これ以上私の中に入ってこないでっ!」 大声で怒鳴りつけると、先生も負けないくらいの声を出した。 「好きだよ!」 時間が一瞬止まる。 「好きだよ、藍沢のことが……」 今度は消え入るような小さな声。 部屋の空気が変わり、冬の朝のように澄み渡った。 「嘘…… だって知ってるんだから。梁取先生には婚約者がいたって。その人が忘れられないからもう誰とも付き合わないんだって」 私の言葉を聞いた途端、先生は青ざめた。 ほら、その顔の色が何よりの証拠じゃない。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

373人が本棚に入れています
本棚に追加