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「それは……」
言葉の語尾が濁る。
先生は目を泳がせて必死に動揺を隠そうとしていた。
形勢逆転。
私は一気にまくしたてた。
「亡くなった婚約者が使っていた家具だって分かって今まで通りに生活できるわけないじゃない。
きっと亡くなった婚約者の方だって、自分の知らない女が自分の物を使ってるなんていい気持ちしないよ。
もうこれ以上ここにはいられない。先生の顔も見たくない」
「出てくったってどこに行くんだよ」
「そんなの先生には関係ないでしょう」
「でも……」
「大丈夫、もう半年前の私じゃないから。
お給料だって貰ってるし住む所くらいなんとかなる」
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