373人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
後に残った私は、一旦崩壊した涙を止めるのに時間がかかった。
やっと涙が止まり、びしょ濡れになった頬を拭うと震える手で落ちた眼鏡を拾った。
『好きだからだよ……』
悲しそうな梁取先生の声を思い出す。
『あいつさくらのこと好きなんじゃないのか』
優斗の言葉を思い出す。
『別に興味ない』
昨晩の梁取先生の言葉。
何が本当で何が真実なのか分からない。
気持ちを落ち着かせて職員室に戻ると先生の姿はなかった。
こんな状態で優斗に会えるはずもなく、先に帰っててとメールをするため携帯を開くと梁取先生からメールがきていた。
最初のコメントを投稿しよう!