◇初詣の記憶◇ #2

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◇初詣の記憶◇ #2

―――――… 「さくらっ!いつまで寝てんのよ!ちょっとは家のこと手伝いなさいよ!」 お母さんの怒鳴り声が聞こえて、私はのそのそとこたつから顔を出した。 ずっとこたつの中に潜りこんでいたせいで頬がりんごのように赤くなり、こたつテーブルが亀の甲羅のようになっている私を見て、お母さんは腰に手を当ててこれみよがしに大きなため息をついた。 「久しぶりに帰ってきたと思ったら食っちゃ寝食っちゃ寝ばっかりで、ちゃんと一人暮らしできてるのかしらね、この子は!」 「できてるよ」 ……一回火事にあったけど。 私はテーブルの上にある、少ししけたお煎餅を一つ取った。 「部屋なんか掃除してないんでしょ!」 「してるよ」 ……時々ね。 「料理も全然してないんじゃないの!?買ってきた物ばっかり食べてたら体壊すわよ!」 「作ってるよ」 ……焼きそばとか。 それに去年は一回も風邪引かなかったもん。
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