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そっけない返事を続ける私と、机に広げたテキストの間に割って入るように、そんな問いをしてくる愛実。
私は愛実の問いに、
「そのつもり」
と、きっぱり答えた。
「残念~私は愛果と恋バナとかしたいのにぃ」
「聞き役には何時でもなってあげる」
「私が聞き役になることは~?」
「ない」
そんな言葉のやりとりの後、「もぉ、愛果ってば、相変わらず~…」と愛実が口を尖らせる。
「っていうか、同じ双子なのに、何で愛果ばっかりモテモテなの~?」
「知らないよ……」
「大体さぁ、顔はそっくりなのに出てるオーラが違うって、よく言われるんだけど、オーラって何?ってハナシだよねぇ?」
「だから、知らないって……」
ブツブツと文句を呟き始める愛実に、また、そっけなく言葉を返し、
再び英語のテキストに集中する。
そんな私を見て、
「あ~あ。愛果ちゃんは相手してくれなさそうだし~…ママの美味し~いフルーツケーキ食べに下に降りよーっと」
と、愛実は部屋を出て行った。
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