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「お前に言わなきゃ誰に言うんだよ」
「ま……愛果……?」
「俺の可愛い娘には“共食い”なんて言葉は似合わない。ま、餅は美味いけど」
「そう!お正月に食べるお餅は格別に美味しいの!あ、臣くんも食べる?」
「いや、今はいい。というか、そろそろ出かける。煩いのが待ってるから」
出かける、というパパはコートを羽織っていて、もう直ぐに家を出てしまうみたい。
「愛果、ママが原型を留めない姿にならないように後は見張っておいてくれ」
真顔でパパは、そんな任務を私に任せる。
冗談なのか本気なのか何なのかよくわからないけど―…
「う、うん」
と、一応答えて、
「じゃあ愛果、ちょっと出てくるから」
「いってらっしゃい、パパ」
出かけるパパをリビングで見送る。
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