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一人で開ける、桐嶋さんの部屋のロック。
また違ったドキドキがある。
「おじゃまします……」
一応、そう言って中へ入る。
リビングに入って、ケーキが入った紙袋をテーブルに置いて、ちょこんと遠慮がちにソファーに座る。
ちらり、時計を気にしてしまう。
そろそろ帰ってくるかな。
ケーキ……保冷剤は入れてあるけど、とけてしまわないかな。
なんて色々考えながら、静かな広い部屋で桐嶋さんを待つ。
と、玄関で物音が聞こえた。
桐嶋さん、帰ってきた……!
立ち上がって玄関へと急ぐ私。
そこには、スーツ姿の仕事帰りの桐嶋さん。
“おじゃましましています”と、言おうと思ったのに、
「お帰りなさい……!」
と、思い切り力を込めて口にしてしまう。
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