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「外でディナーでもと思ったんですけど、たまには家でゆっくりもいいかな、と。さ、あまり遅くなってはいけないので、早速食べましょう」
「は、はい……」
玄関からリビングへと移動する私と桐嶋さん。
そこで私はハッとしてしまう。
ケーキ、テーブルに置いたまま……
先に、桐嶋さんが気付いちゃう!
でも、もう桐嶋さんはリビングに入ってしまって、
「これは……?」
やっぱり、先に見つかってしまった。
「あの……バレンタインだから……」
どうぞ……!
と、急いで紙袋を持って、桐嶋さんに渡す。
ああ……もうちょっと、ちゃんとした形で渡したかったな……
そんな気持ちが心に少し。
でも、無事に渡す所まで出来たんだから、良いよね?
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