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「空けてもいい?」
「勿論ですっ」
紙袋からラッピングされた箱を取り出すと、丁寧に剥いでくれる桐嶋さん。
そして箱を開けると、昨日の夜、想いをこめて作ったチョコレートケーキ。
フルーツをたくさん飾った、バレンタインケーキ。
「食べてもいいですか?」
「いいですけど……夕ご飯の後にしたほうが……」
「今食べたいです。いや、でもその前に写真に残さなければ」
桐嶋さんは携帯を取り出すと、パシャパシャと何枚も写真を撮りだす。
ケーキを撮っていたかと思うと、
「愛果さん」
名前を呼ばれ、桐嶋さんを見ると、
パシャッ、と携帯から音が聞こえた。
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