1215人が本棚に入れています
本棚に追加
驚いて、嬉しい時って、
「―…」
一瞬、ぽかんとした表情になって、
無言になっちゃうのかな……?
ああ、でも、ゆっくりと自然に言葉となって出てきてくれる。
「可愛い……ありがとうございます」
そう言って、ピンク色のチューリップの花束に顔をうずめる。
すると、
「あと、もう一つ」
と、桐嶋さん。
「昨日預けたカードキーはありますか?」
「はい、勿論―…あっ……忘れないうちに返しておきます」
預かっていたカードキーを桐嶋さんに返そうとする私。
でも、
「いえ、これは返して頂かなくて大丈夫」
桐嶋さんは、カードキーを出す私の手をとって引っ込めてしまう。
「愛果さんが持っていてください」
「私が?」
「何時でも、ここに来れるように」
最初のコメントを投稿しよう!