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「ご注文は?」
「そうだな、ウイスキーを適当に」
とオーダーして出されたのはメーカーズマーク。
そこらのBarにもある銘柄だから、この店ではきっと安酒だろう。
俺への値踏みはまだ終わっていないということか、それとも相応の価値を付けられたか。
(嫌いじゃないから美味しく頂くとしますか。)
舐めるように唇を潤し、一息ついた。
「お客様はどうして当店へいらっしゃったんですか?
どなたかのご紹介で?」
…どうやら値踏みはまだ続いているらしい。
「ん、先週かな?
たまたま店で隣り合った人に評判を聞いて来てみたんですよ」
「そうですか。
どんな評判だか聞きたいような怖いような」
「アットホームだって、その人は云ってましたよ。」
バーテンの話術に乗って俺は都合のいい部分だけを切り取って言葉を並べる。
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