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そのタイミングでソファ席でカウンターに背を向けて座っていた男が立ち上がり様、顔は背けた状態で俺とぶつかってしまった。
「おっと…」
「あっ」
互いの左腕が正面から当たったせいで男が体勢を崩し、つんのめった。
俺は咄嗟に彼の背中越しに右腕を掴み、ブレていない上半身の軸を中心に半回転させて体勢を持ち直させた。
その際、俺も無意識にステップを踏んでまわりこんでしまったのだが。
…これもある意味職業病か。
無意識のうちに身体の軸を瞬時につい見てしまう。
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