第1章「予言者と共に」

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旧 世界。 この惑星・名はセイレーン。 <神話学者の研究より抜粋> フィアナはアイオリアンの神のひとり。 でもアイオリアンとは違う世界があると信じてここに来た。 ここで神を産んだが、その神はこの星で唯一の神と説いてしまったから、フィアナはなんとか外にも世界は広がっていると伝えたがっていた。 唯一無二の神ではない。 他の世界を見渡せば、もっと広い宇宙という世界にもっと進んだ世界がある。 もっと進んだ文明と神がいる。 それを、遠い気の遠くなるような神話の時代にフィアナが伝承しようとしていたという。 この星の神は悪神だという。 フィアナの伝承は誰が口伝していたのだろう。 おもえば、預言者は「 1000の戒律 」というものを受け取った。 人を堕落から救うのだというのは、誰の言葉で誰の伝承か。 それを唯一神からとするのは、人がそれを受け取れて理解できたと差別化し、言葉を理解したということで、その国を特別な国とする為ではなかったか。 しかし、その後生まれた預言者は言っている。 言葉は私の知っている言語ではなかったが、理解できたのだと。 それこそが、フィアナの技ではなかったのか。 言葉とは文明の発達によって、言わんとしていることが、言語ではなく、全て意思の疎通が脳に直接イメージで伝えることができるのだ。 きっと映像だったのだ。 脳の視覚野への直接的映像送信。 それこそ高度文明の証だろう。 相当量のイメージで、データにすれば、何千年分であろうか。 それらが預言者の脳で、渦巻いて、予言の書になったと考えた方がわかりやすい。 洪水、日照り、飢饉、それらはこれから起こるであろう未来予知として伝えられただろう。 神話の時代の、それらのイメージは時としてこの星のものではなかった。 だから、とても怖ろしい怪物の姿もあったのだろう。
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