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第1話 「 神話学者 ノートン 」
惑星セイレーン。
それはレオール銀河という、中央に金色の星々の集団を集めていることで、宇宙では有名な銀河である。
セイレーンは末端の方、銀河の尾にあった。
それは銀河創生からすれば若い惑星といえるが、銀河中央に近い惑星の文明を色濃く継いでいることから、他の惑星の進化に比べ、その文明度は、銀河の中でも驚異的とされた。
ノートンは神話学を研究している学者である。
セイレーンには旧世界と新世界という大きな歴史的転換期があった。
その意味を神話から研究し、一体何が起こったのかを調べていた。
なにしろ、旧世界では全ての文献が石や木切れに残っているだけで、その数少ない証拠を基に推理と想像力を駆使するしかない状態だった。
それらは新世界の急激な発展からすると、あまりにも辻褄が合わないことだらけだったのだ。
ノートンと神話学者達は、仮説を立ててそれを検証していく方法を取った。
つまり、旧世界と新世界では、文明が違う。
他の惑星から文明人がやってきたのだと考えたのだ。
そしてそれはおおよそのところで、検証できた。
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