9/11
250人が本棚に入れています
本棚に追加
/163ページ
 崩れた体勢を整えた浩登が、小さく唇に隙間を作る。真浩は迷わずそこに舌を滑りこませ、深く深く……全てが溶けてしまいそうな程のキスを。何も言わず、それに答えてくれる浩登に感謝をしつつ、溜まった唾液さえも舐め取った。  呼吸を整える為に、一旦唇を離して体を起こす。――数秒。二人の熱い息が空気に溶け込んだ後、次に仕掛けて来たのは浩登だった。 「ふ、あっ……ん……っ」  今までにない程の激しいキスに、更に息が荒くなる。顎を伝って零れ落ちる唾液もそのままに、浩登は真浩の服に手を掛けた。器用にシャツのボタンを外し、曝け出された胸板に指先が置かれる。ビクリ、と思わず真浩の体が跳ねたのは、胸板の突起物に刺激を受けたせいだ。場所を確かめるように指の腹で撫で、ギュと摘んでから押し潰される。  既に下腹部に熱が溜まって居て、モゾモゾと無意識の内に刺激を求めて腰を動かして居た。「触って」と、唇の隙間で浩登に訴えるも、浩登はキスを続けながら指先で固くなった胸元のそれを弄るのみ。 「んっ……ひろ、と……さわって……。俺も、浩登の……さわる、けん」  声が出せるように浩登を引き離し懇願するも、浩登は小さく首を振った。 「なんで……」 「今日は、もっと気持ちの良い事を教えてあげます」  ゆるりと口角を上げた浩登は、今まで見た事が無い程に艶めかしい。 「なにそれ……? ひ、……やっ……」  真浩には、腰を降り曲げた浩登の次の行動を予測する事が出来なかった。ぬるり、と生ぬるい感覚が胸板の尖った部分へと宛がわれる。今までに感じた事のない快楽がそこにあって。ゾクゾクと、全身に何かも分からぬ震えが起こる。  乳首を嬲られたのは、これが初めてだった。真浩にとって唇とは、キスをするだけのものだとの思い込みがあって。エッチな動画には、そういう行為をしている光景が映っていたけれど、それは女性を相手にした時限りのものだとばかり……。 「い、やっ……あ、っ……んっ……」  思わず甲高い声が洩れた。それは、浩登が相手であっても思わず羞恥を覚えてしまうほどの。――先程まで真浩の胸板へ舌を這わせていた浩登が、引きずりおろしたズボンから主張した真浩の欲に、しゃぶり付いたのだ。
/163ページ

最初のコメントを投稿しよう!