6人が本棚に入れています
本棚に追加
付き合ってから知ったんだけど、彼女はとても運動神経がいいらしい。
この間の中間テストで驚いたんだけど、彼女の成績は学年トップだった。
そのうえ、ものすごく美人である。だって、ほとんど一目惚れだったんだから。
だからこそ、わからないことが二つある。
まず、何で僕はそんな彼女に告白をしたのか。
自慢じゃないけど生まれてこのかた16年間、恋人がいないどころか異性とろくに話したことすらなかった僕である。
それが、高校に入ってたった三ヶ月で一目惚れした女子に告白するだなんて思ってもみなかった。
まぁ、オーケーされるなんてもっと思ってなかったわけだけど。
そして、二つ目は。
『帰り、どこか寄っていく?』
『うーん、おまかせ』
このやりとりだ。
『じゃあ、この間のカフェなんかどう?』
『うん! あそこのチョコパフェ、好き!』
僕らは二人、恋人らしく肩を並べて駅へと歩いている。
でも互いにアイコンタクトをするくらいのもので、一度も言葉を交わしていない。
『あんなでっかいパフェ、よくお腹に入るよね』
『あーっ、なにそれ、大食いだって言いたいの?』
『女の子の体って不思議だなって言ってるの』
『エッチ』
『曲解にも程があるよ』
最初のコメントを投稿しよう!