地方創生?

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 俺は嫁と子供を連れて帰省した。  色々と面倒な事もあるが、やはり田舎はいいなと思って休暇を満喫した。  あっという間に楽しい時は過ぎてしまうのだ。 「さて、そろそろ行くよ。またお盆に帰るから」  両親にそう言って、実家を出て駅へ向かうタクシーに乗り込んだ。  俺と家族を乗せたタクシーはしばらく行くと信号待ちをした。  『どんっ! 』  強い衝撃が体を襲う。  振り返ると車がぶつかったらしい。追突されたのだ。 「ああ、なんてこった!」  俺は車を降りると驚いた! 「なんだ! 君が運転したのか?」  追突してきた車を運転していたのは、どうみても中学生くらいの少女だった。 「ご、ごめんなさい。すみませんっ」  少女が何度も何度も頭を下げる。無免許で車を運転するような、いわゆる不良の娘には見えなかった。 「君ではどうしようもないだろう。御両親と連絡取りなさい」  そうこうするうちに警察が来た。 「で、あなた方がタクシー、追突された車に乗っていたのですね?」 「はい。よりによって無免許の車にぶつけられるとは思いませんでしたよ」  俺はぶつけられた衝撃で痛めた首を擦りながら警官に言った。 「はあ。災難でしたな。  ですが、あの娘は免許を持っておりましたよ。  御宅のお怪我なども保険がきくようです。  まあ、不幸中の幸いですかな……」 「えっ!? だって、あの娘、中学生でしょ?」  驚く俺の背後からタクシーの運転手が言った。 「東北州では十二歳から免許を取れるようになったんですよ。  若者が他州に逃げられないようにする政策の一つだそうで……」  間違っている! この道州制は間違っている!  これでは地方創生・地方分権ではなくて、日本がばらばらだ!           ~地方創生? 完~
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