第1客【美溶液】

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清香の意表をついた質問に、思わず笑いが溢れ 口元に手を充てて笑いを堪らえるクロウ。 『…クスクス…いえ違いますよ?私はイタリア出身で シシィはハンガリーです。誠に残念ながら… 日本の血は流れておりません。言葉はー・・・昔、 親しくなった日本人から学びました』 何処か遠くを映す紫苑の瞳が、一瞬哀しげに 揺れたように見えた。店主の儚げな笑顔から 目を逸らせずにいると…… 『ちょっと!いつまでクロウに見惚れている つもり!?買物に来たんでしょっ!さっさと 欲しいモノ選びなさいよ!!ノロマねっ!』
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