第1客【美溶液】

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『さて。かなり本題から外れてしまいましたが 当店にお越し頂く方々は、皆様何かしらの悩みを 持たれる方ばかりです。清香様にも何か悩みが あるのではないですか?きっと当店の商品が お役に立てると思いますよ?』 さっきの笑顔とは対極の、春の陽射しのような 微笑みを浮かべるクロウ。ー・・・?彼のセリフに 何か違和感を感じたが、それが何なのか…… 喉に引っ掛かった魚の小骨のように、スッキリ しない思いを飲み込みながら店内を見渡すと 『美容液?…成分表記も使用方法も、ラベルには 何も書かれていないけど…何だろう?気になる…』 清香が手にしたのは、ピンク色の小瓶に入った 美容液だった。ラベルには見た事のない文字が 一文字だけ書かれている。
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