その1

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"蜷川組"とは。 この地区に住んでて 知らない人はいないくらい有名。 そう、ここは極道一家の家。 噂には聞いてたけど まさかこんな近所にあるとは…! てか、この子も極道一家の子なの!? 「あ…ビックリしてます…?」 「いや…ビックリっていうか… 楓ちゃんって、まさか…」 「…はい、ここの人間です」 ……アッチョンブリケー!!← こんなことがあるのか!!! さ、さすがに極道と知ったからには お邪魔するわけには…。 断って帰ろうとした時 「楓」 すっごい低い声が後ろから聞こえてきた。 ビビりながらも興味本位で後ろを振り返ると 意外な人がそこに立っていた。 スラッとした手足 整った顔 程よく着崩した制服 そして、黒い髪に青と白のメッシュ あの時に見た先輩だ…! 「お兄ちゃん!お帰りなさい!」 「ん、ただいま」 ーーー!! 今、すごいふわっとした顔で笑った。 ヤバイ… なんだかドキドキして 顔が火照ってきてるような…。 ……って、ちょっと待て。 さっき、楓ちゃん "お兄ちゃん"って言った…? お兄ちゃんってことは……。 「楓、その女は誰?」 ドッキーーーン!!! はいいいぃ!!!??? めっちゃ声のトーン下がったー!! 何この妹の前と知らない人との差! いや、そりゃそうか…。 わわわわ、ど、どこから説明しましょ。 アナタの妹ちゃんがヤンキーに絡まれてた所を 助けましたー、ってか!? そんなスラッと言えるかーい!! 「この人は、私の恩人さんなの! さっきそこのコンビニで知らない男の人達に 声かけられて困ってた所を助けてくれたの!」 「……知らない男の人達声かけられた…?」 Noooooo!!! お兄さん、めっちゃ怖い顔してるうううう!! さ、さすがヤクザの家系だからか 怒った顔が怖すぎ!!!(|| ゚Д゚)
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