DNA

3/14
前へ
/14ページ
次へ
私は子供がすぐにでも欲しかった。年齢的にタイムリミットが迫っている。 彼は新婚を楽しもうと旅行のパンフレットをもらって来たり、おいしいからとワインを買って帰ってくれたり、時には今時のライブのチケットを取ってくれたりもする。 全て私との生活を潤いある楽しいものにするため、彼は日々務めてくれた。 早い帰宅の日は一緒に夕飯を作ったり、私に楽させてあげたいと一日家事を代わってくれたり、文句のつけようがなかった。 それもあって、なかなか子供について言い出せないでいた。 この人を逃すと私には後がない。 可愛い子供が欲しい。私はキャリアもある、誰もが羨む夫も得た。 後は可愛い子供がいれば完璧だ。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加