627人が本棚に入れています
本棚に追加
「夏希さん大丈夫?」
「ああ……、うん。もう一人で大丈夫だから」
「ホントに? でもお化粧全部崩れちゃってるよ?」
「うっ……」
「帰る? それとも化粧直しに行く?」
あんなに泣いたんだもの。たぶん私の顔は、ちょっとやそっとじゃ修復不可能なはず。
「……帰りたい」
そう小さな声で答えると、要くんは私に背を向けきょろきょろと辺りを見渡した。
「要くん、何してるの?」
「目立たないように僕が外に連れ出してあげる。夏希さん、僕の背中に隠れてなよ」
「……ありがと」
私は要くんのお言葉に甘えて、彼の背を盾にパーティの会場から抜け出した。
最初のコメントを投稿しよう!