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「うわ、美味しっ!!」
口の中いっぱいにふわふわの卵が広がった。目の前で湯気を立てるポトフが、さらに食欲を誘う。
在り合わせの材料で要くんが作ってくれたのは、野菜のポトフとオムレツだった。卵の味は濃厚だし、野菜の旨味が冷えきった身体にじんわりと染み込んでいく。どちらも、まるで洋食屋で出されるプロの一品のように美味しかった。
「ね、夏希さん。そんなに美味しいなら、僕が毎日作りに来てあげましょうか。……夏希さんのために」
「はっ!? 要くん、何言って……ごほっ!」
驚きすぎて、ちょうど口に入れていたじゃがいもが喉につかえた。……この子、一体何考えてるの?
「ああ、夏希さんがそんなにがっつくから」
要くんは私の背中にそっと手を回すと、上下に優しくさする。しばらくすると、つかえていたものが胃に落ちたのか、ずいぶんと呼吸が楽になった。
「ありがと要くん。助かった……」
って、そんなこと言ってる場合じゃない!
この子こんなこと言って、一体何が目的なの!? ひょっとして……お金?
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