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要くんは私をベッドに押し倒すと、性急に唇を重ねた。息を継ぐ間もないほど激しいキスの波に飲み込まれ、思わず私は彼の胸をバン! と叩いた。
しかし、必死の抵抗も空しく、要くんは私の手首を掴むと、私にわざと見せつけるように右手の指一本ずつに口づけ、不敵な笑みを浮かべた。
「ま……待って、ねえ」
「いや。もう散々我慢した」
「我慢って」
手の先から手首、そして二の腕へと、要くんの唇が身体の中心へ向かって少しずつ下りていく。
「したもん。貴女の寝顔散々見せられてどんだけ悶々とさせられたと思ってるの」
「も、悶々……」
「責任取ってね――」
そのあとの記憶は、もう途切れ途切れで。
若者の底なしの欲望と体力に慄いた私は、こうなってはじめて、たった四つの年齢差を強烈に意識した。
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