今も今までも……

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今も今までも……

「お前、そんな走るとまたコケるぞ」 紅葉が舞踊り、鮮やかな秋色の絨毯と様変わりした馴染みのあるこの場所。 彼女は振り返り微笑みながら応えた。 「大丈夫」 艶やかな涅色の髪を揺らし、また背を向け歩先を進める。 俺はそんな自由奔放な彼女の姿に視線を奪われてから、もう何十年となるのだろうか。 翻弄されても、俺にとって居なくてはならない大切な存在であるのは、昔も今も変わらない。
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