第1章

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完璧な彼氏。 学校中を虜にするようなイケメンで、優しくて頭も良くて、どんな人にも分け隔て無く接するあなた。 そんなあなたに告白されて2週間。 初めて訪れたあなたの部屋で、私はとんでもない彼の欠点を見てしまった…。 「お兄ちゃん、あたし今すぐ駅前のアイス屋さんのリンゴのアイスが食べた~い!」 「え?わかったよ、しょうがないなぁ。ゴメン笹原さん、すぐ戻るから待ってて?」 「お兄ちゃんはやくぅ~!10分で戻って来ないと美月泣くからね!」 完璧な彼は重度のシスコンだった。 「わかったよもう~!そのかわり笹原さんと仲良くしてまってるんだぞっ?」 「はぁ~い!いってらっしゃい♪」 …着いて1分で彼女置いて妹のパシリですか。 しかも頬染めて…。 ―ガチャン タッタッタッタ… しかもダッシュで。 「…笹原センパイ、でしたっけ?ウチのお兄ちゃん、優しいでしょ~?いつも美月のお願い聞いてくれるの!チョー優しいの~!」 2コ下の 妹さん。 完璧な彼氏の完璧な妹。 細い茶色のさらさらストレートをなびかせて、ぱっちりおめめにピンクの唇。 スレンダーな体にスラリと生える手足。 「ほんっと、美月のお兄ちゃんって完璧ですよねー?」 あぁもう、そっちもなの…?
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